水を背負って階段を上がっていると、コクワガタがひっくり返ってジタバタしていた。よく見ると、体のあちこちに蜘蛛の巣が絡まっている。あらあら、と、手に取って、ホームの待合室まで連れていく。手の中でジタバタしている。


左手に乗せて、右手で蜘蛛の巣を取ってあげた。顔にも脚にも絡まっていた。一つずつ取ってあげる。だいぶ動きやすくなったみたいだ。もう大丈夫だろうと思って、線路向こうの草むら目がけて、放り投げた。