目を覚ますと、窓の外に白いものが見えた。雪だった。電車でたった30分なのに、こうも違うのか。電車を降りて駅から歩き始めると、すぐに山が見える。目の前に、見慣れた山が。下の方はまだ紅葉が残っている。黄色く色づいた樹々が見える。カモシカロードはきっと地面が濡れてぐちゃぐちゃになっているはずだ。散歩はできそうにない。それに、疲れて行けそうもない。スキー場のゲレンデは真っ白だ。ゲレンデまで散歩して、写真を撮れたら良かった。山のてっぺんは雲がかかって見えない。もう今年は登れないだろうか。この前登った、あの雲一つない、誰もいない、静かな山頂を思い出す。